人間のお医者さんが飼い主でも、心配は同じ

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今日は、チワワの来院が多い。

ワクチンアレルギーのチワワ
皮膚病のチワワ
そんでもって乳腺が腫れているというチワワ。

乳腺腫瘍？？？　でも、まだちょうど1歳だよ。
ヒート（生理）じゃないの？
と思って聞いてみると、
生理は6月にあったらしい。

次は12月の予定で、その時に
飼っている雄のチワワ君と交配の予定だそうで。
大変ですよぉ。頑張ってください。

それはさておき、問診が終わったんで、
触診です。
触ってみると、確かに乳腺が腫れてるね。
でもね、腫瘍じゃないね。

ヒート終わって3ヶ月でしょ？
もしかして・・・と思って絞ってみました。
お乳が出ました。
飼い主さん、「あれーっ」と驚く。

「偽妊娠ですね」

ということになりました。
犬の場合、ヒートが終わってからしばらく
黄体ホルモンが出続けるので、
こういう状態になることが多いです。
ホルモンの影響ということでしょう。
みんながそうである訳ではないですけどね。

程度はたいしたことなかったので治療することもないでしょう。
ヒートの度に繰り返すようだと
子宮蓄膿症なんかになりやすいので気をつけた方が。
この飼い主さんは、1度、子供を産ませたら
避妊をされるそうですので、その心配はないかと。

1件落着でしたが、
ついでに、ということで飼い主さんがおっしゃる。
　「この子だけ耳が臭いんだけど・・・」

ちらっ。
あぁ、怪しい・・・
　「外耳炎の疑いがありますけど、検査していいですか？」
と聞くと、飼い主さんが
　「外耳炎？　ミルベマイシンとかで治るの？」
ときた。

こういう場合、飼い主さんは、医者。
聞いてみると、やはりそうでした。
それなら話は早い。多少の専門用語も大丈夫。

マラセチアの場合もありますんで、
抗生剤だけでは治らないですよ、
と答えて検査すると、マラセチアがぶわぁーっとｗ

そこらも人間とは違うところでして。
犬の偽妊娠という知識もさすがのお医者さんにもなかったようで
驚いてました。「違うなぁー」とおっしゃる。
医者の飼い主さんの反応はいつもそんな風です。

耳の洗浄をして、薬を点耳して、
点耳薬を処方して、こちらも1件落着。

家では全く耳の洗浄とかできないし、
これはこれで、この子の耳の臭いはこんなもんか、
と思ってたそうです。

病気や症状などで
人も犬も、大きな差のないことはありますが、
人間とは異なる部分があるので、
それが我々獣医の存在意義ということでございましょうか。

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タグ：犬　偽妊娠 偽妊娠　乳腺